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反発係数の説明の前に、まずは、飛距離の決め手が何なのかの復習をしてみましょう。ゴルフにおける飛距離を構成する絶対的なファクターとして、「飛距離の三大要素」という次のものがあります。
『飛距離の三大要素』
(1) ボールの初速
(2) ボールの打ち出し角度
(3) ボールのバックスピン量 |
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(1)の「ボールの初速」は、ヘッドスピードに直結したもので、いわゆる体力のある方ほど、加速できるものです。
つまりクラブを早く振れる人ほど飛距離アップを獲得することが可能になります。
ちなみにドライバーの場合、初速を秒速1m上げることで飛距離を約5〜6ヤード伸ばせる結果となります。 |
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(2)の「ボールの打ち出し角度」は、ボールが飛び出した方向と地表線とで合成された角度で、 一般的に、ドライバーでは、この打ち出し角が10度から15度が理想とされ、ヘッドスピードの遅い人ほど、角度が大きい15度に近づいた方が良くなります。
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(3)の「ボールのバックスピン量」は、ボールが飛び出した後、1分間に何回転するかを計測したものです。 通常1分間に2000〜3000回転(ドライバーの場合)というのが、前進力と揚力のバランスが良く、
最大飛距離をもたらしてくれる最適範囲とされています。
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これら「飛距離の三大要素」には、ヘッドスピード、スイング軌道、ミート率等のさまざまな外因が深く関係し、それらの相関関係が飛びに大きな影響を与えます。飛びを科学的に分析すると、ボールとクラブが接触するインパクトの瞬間に、ヘッド側では素材、形状、ロフト等が、ボール側では素材や構造等が、ゴルファーのヘッドスピードやスイング軌道と関係して、この「三大要素」を決定づけます。加えて空中に打ち出されたボールには、ディンプル形状や配列が飛びに大きな影響を与えます。このように飛びのメカニズムには、非常に複雑で難解な要素が絡み合うのです。
では、いったい問題の反発係数は、どの要素に関係してくるかというと、(1)の 「ボールの初速」 が最も影響される項目となります。実際の反発係数も、フェイスにぶつけてはね返ってきたボールの速度を数式に当てはめて算出されています。
『反発係数算出式』
ボール跳ね返り速度/ボール発射速度
=(反発係数×ヘッド質量−ボール質量)/(ヘッド質量+ボール質量)
( USGA official home Page より) |
『反発係数計測システム』
反発係数を計測するシステムは、上の図のようになっています。
計測する場合、フェイスが垂直となるよう台座にヘッド単体(反発係数はヘッド単体の機能の為)を静止状態でセットし、そこにADC社製ウルトラ・ボール・ランチャーで、タイトリスト社製ピナクルゴールドボール
(ボール質量45.4グラム±0.4グラム、ボール温度23度±1度)を秒速48.768mのスピードでフェイスの芯(直径3mm)に撃ちつける(図参照)。そのボールの発射速度と跳ね返り速度を数式(上記参照)に当てはめ算出された数値を
反発係数(COR) としています。
では、反発係数と飛距離の関係はと言うと・・・。率直に結果から発表すると、反発係数が0.03向上するとボール初速は秒速1m上がり、飛距離が約5〜6ヤードに伸びる事となります。
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『反発係数と飛距離の関係』
《例》反発係数が0.03UPした場合。
-1.ボール初速:秒速1mUP
-2.飛距離:約5〜6ヤードUP
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さらに追求して具体例をあげて説明しましょう。 違反とされる反発係数は0.830より上ですからですから、仮に、[A]というドライバーが0.831で違反クラブとし、B]というドライバーが0.821(0.822以上はUSGAルールでは警告)で基準をクリアしているとします。
[A]と[B]との差は、わずか0.010でしかありません。ということは、両者の飛距離には、2ヤード弱の違いしか出ないことになります。しかもそれは、たった直径3mmの芯に当たった時に限られ、その芯を外れれば外れるほど、どちらの反発係数も減少することになります。
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例えば、0.830の反発係数を備えるヘッドで、打点を芯より10mm上方に外してテストすると、
反発係数の警告値(0.822)にさえ届かない数値に落ちてしまいます。 これは、直径3mmの内に当たらない限り、高い反発係数の恩恵は受けられないのと同じ事を意味し、
しかもその効果を得られたとしても微量であるといえるのです。 R&Aが一旦、反発係数は、「さほどの影響を及ぼさない」と結論付けした真意がここにあると言えます。 |
ジオテックでも、反発係数計測器は備えてあります。新製品については開発段階で数値を計測し、研究を重ねています。もちろん新製品全てにおいて反発係数の向上を目指すのでは無く、あくまでも商品コンセプトに合わせて設定しています。反発係数を向上させる方法には色々あります。例えば、フェイス面積の拡大、ヘッドの剛性向上、フェイス肉厚の特殊設計等など。
いずれにしても、それらは反発係数の向上だけに留まらず、他の設計要素にも密接に関係してくるものであり、反発係数の向上のみでは考えられないものです。
ただ、当社は、反発係数よりも優先順位として重心設定を重視しています。 したがって、今のところ一部の商品を除いては反発係数の数値の公表予定はありません。
それと、世に出回っている反発係数の数値が整備されていないと言う事も、当社が反発係数を公表しない要因の一つです。
USGA自身が計測した各ヘッドの反発係数は、公表できないとされています。 つまり、どのメーカーも宣伝用に使用している反発係数の数値は、いずれも自社内における参考データに過ぎないのであります。
もちろんジオテックも例外ではありません。更に、USGA同様のシステムで算出された数値ならまだしも、メーカーによっては、独自の測定方法と基準で算出している所もあると聞きます。
むしろ、USGAと同様の計測を行い、それらを公表した場合、他商品と比較した時に数値が低くなり、不利なイメージとなる場合が往々にして有り得るのです。これでは、シャフトのフレックスやトルクが、統一された基準で公表されなかったが為に市場を混乱させてしまったのと同様で、世に出ている反発係数の数値を飛びの目安として比較する事は、非常にナンセンスです。また、一般消費者が反発係数の意味合いを100%理解し得ていない事も大きな問題としています。
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■ADC社製ウルトラボール・ランチャー |
世に騒がれる反発係数。確かに、物理的には存在する物ですが、サージング(反発のエネルギーがボールに伝達する前にボールが跳ね返ってしまう状態)という現象もあることを考えると、ゴルフクラブにおける優位性は、まだまだ不確定な事項です。また、もちろん、直径3mmの芯で常にボールを捕らえる事自体、人間業としては難儀の極みであり、
さらに反発係数増加による飛距離アップの効果を体感するに至っては、それが反発係数の恩恵によるものなのか、はたまた、その他の要因なのかを人間が判断することは不可能であると言えます。
ただ、それとは反対に、反発係数増加の恩恵の一つとして、打球音の優良化という物があります。個人的な見解で主観も多分に入るのですが、反発係数が高められたヘッドは、結果的に打球音が軽やかになる事が多く、
いかにも弾きが良いという打球感になりやすいようです。
特に一般のゴルフ練習場などでは、ドライバーの飛距離を正確に把握する事が難しく、飛んだかどうかの判断が、弾道や打球音(感)に委ねられる事が多いものです。
つまり、打球音が飛んでいるかどうかの判断材料にされることが多分に有り得るのです。
メーカーとしては、どんな微量な効果であっても飛距離を追求するという事。そして、もちろんユーザーの希望を満たすクラブを開発する事が使命だと思いますし、何も反発係数とスプリング効果の関係を否定するつもりもありません。ただ、ゴルフにおけるボールの飛距離を決定するものとして結論付けようとすると、何と言ってもボール初速の効果が絶大であり、それに対して、ボールの最適な打ち出し角とバックスピン量を設定することにつきます。つまり、本項目で最初におさらいした飛びの三大要素になるわけです。
そこで、あえて反発係数が大きい事の利点を説明すると、反発係数の大きいヘッドと一般のヘッドを比較した場合、2本のクラブが全く同じスペックで、使用者にとってベストな設定である場合、
『反発係数が一般的なものよりも、基準値を超える反発係数の高い、かつ高反発エリアが広いヘッドが、場合によっては飛距離アップの効果が期待できる』ということになります。もちろん、場合によってということで、全てではないのです。
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